2016年 第77回応用物理学会秋季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

6 薄膜・表面 » 6.6 プローブ顕微鏡

[14a-A32-1~7] 6.6 プローブ顕微鏡

2016年9月14日(水) 09:30 〜 11:15 A32 (302B)

山田 豊和(千葉大)

09:30 〜 09:45

[14a-A32-1] [講演奨励賞受賞記念講演] Cu表面上のNOの価電子状態と非弾性トンネル分光の相関

塩足 亮隼1,2、奥山 弘1、八田 振一郎1、有賀 哲也1、Alducin Maite3,4、Frederiksen Thomas3,5 (1.京大院理、2.東大新領域、3.DIPC、4.CFM/MPC、5.IKERBASQUE)

キーワード:走査トンネル顕微鏡、非弾性トンネル分光、走査トンネル分光

非弾性トンネル分光 (IETS) は、走査トンネル顕微鏡 (STM) を用いて表面に吸着した個々の分子の化学同定を行うための強力な手法である。近年の理論研究によって、吸着分子の価電子状態の対称性との相関によってIETSピーク強度が決定されるという「傾向則」が提唱されたが、その実験的な知見は不足していた。
本研究では、Cu(110)およびCu(001)表面上の NO 分子のSTM-IETS測定を6 Kにて行った。走査トンネル分光(STS)測定によってNO単分子の価電子状態を明らかにし、IETS 測定によって分子振動ピークを検出した。DFT計算によるSTM/IETSシミュレーションは実験とよく一致し、「傾向則」を用いて検出されたIETSピークの帰属することに成功した。