2016年第63回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

10 スピントロニクス・マグネティクス » 10.4 半導体・有機・光・量子スピントロニクス

[19p-W241-2~12] 10.4 半導体・有機・光・量子スピントロニクス

2016年3月19日(土) 16:00 〜 19:00 W241 (西2・3号館)

手束 展規(東北大)

18:45 〜 19:00

[19p-W241-12] 磁気近接効果によるグラフェン/YIG接合の誘起スピン偏極

境 誠司1,2、ソロキン パベル3、圓谷 志郎1、楢本 洋1、四谷 晋太郎4、安藤 和也4,5、山内 泰2 (1.原研先端基礎、2.物材機構、3.超硬・新規炭素材料研、4.慶應大、5.さきがけ)

キーワード:グラフェン、酸化物磁性体、ヘテロ構造

グラフェンは優れたキャリア/スピン輸送特性を兼備する材料としてスピントロニクスへの応用が期待されている。グラフェン/酸化物磁性体接合は、磁気近接効果によるスピン流制御の提案やグラフェン/磁性金属接合で問題となるグラフェンの変質(pバンドの著しい変調)の抑制への期待からグラフェン素子用のスピン注入源やゲート電極への応用が注目されている。本研究では、グラフェン/YIG接合における磁気近接効果の確証を得ることを目的に、スピン偏極原子準安定脱励起分光法(SPMDS)によるグラフェンのスピン偏極状態の直接観測を試みた。その結果、グラフェンのπバンドにYIGの偏極方向と逆向きのスピン偏極が誘起されることが明らかになった。講演ではグラフェンの電子・スピン状態の詳細や温度依存性についても報告する。