2017年第78回応用物理学会秋季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

3 光・フォトニクス » 3.11 フォトニック構造・現象

[7a-A410-1~10] 3.11 フォトニック構造・現象

3.11と13.7,3.11と3.12のコードシェアセッションあり

2017年9月7日(木) 09:00 〜 11:45 A410 (410)

倉持 栄一(NTT)

10:30 〜 10:45

[7a-A410-6] フォトニックDirac点近傍における巨大光散乱の解析

太田 泰友1、岩本 敏1,2、荒川 泰彦1,2 (1.東大ナノ量子、2.東大生研)

キーワード:フォトニック結晶、ディラック分散、光散乱

Dirac分散を有する2次元フォトニック構造は、大面積レーザ発振の可能性が指摘されるなど、物理探求・工学応用の両面から急速に研究が進展しつつある。Dirac点では真空場の面内波数がK点に局在し、その近傍では光と物質の相互作用も特異的になることが期待される。実際、Dirac点やその3次元版であるWely点近傍に埋め込まれた量子2準位系において、散乱断面積が顕著に増大することが理論的に指摘されている。本研究では、Dirac分散を有する2次元フォトニック結晶中に電気双極子の代わりとして誘電体欠陥共振器を設置し、K点近傍を伝搬する光との相互作用を電磁界計算により解析した。その結果、Dirac点近傍において共振器による極めて強い光散乱を実現したので報告する。本結果を応用することで、空間的に大きな光構造を用いても量子ドットなどとの強い光物質相互作用の探求が可能になると期待できる。