2017年第64回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

6 薄膜・表面 » 6.3 酸化物エレクトロニクス

[14p-419-1~16] 6.3 酸化物エレクトロニクス

2017年3月14日(火) 13:30 〜 18:00 419 (419)

福地 厚(北大)、小塚 裕介(東大)

15:30 〜 15:45

[14p-419-8] 非線形伝導体における巨大なインダクタンス

田辺 賢士1、谷口 博基1、中村 文彦2、寺崎 一郎1 (1.名大理物、2.久留米工大)

キーワード:機能性物質、インダクタ、酸化物

インダクタはエレクトロニクスにおける基本受動素子である。しかしインダクタの原理は百年以上も前に開発されたコイルから大きな進展はなく、比較的大きな容積を必要とする。インダクタの微細化のために、新しい原理が求められる。そこで我々は新しいインダクタの原理として、非線形伝導(電圧印加に対して抵抗が減少する現象)に着目した。この非線形伝導を示す物質に電圧を印加すると、その抵抗は必ず一定時間遅れて減少する。この時、電流応答は抵抗値に対応して一定時間遅れて上昇することになる。この電圧に対する電流の遅れはインダクタンスに他ならない。この新しいインダクタを実証するために比較的低電場でかつ、室温で非線形伝導が発現するCa2RuO4を用いて電圧応答の実時間測定を行った。その結果、38 Hという巨大なインダクタンス、20を超えるQ値を得た。