2017年第64回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

シンポジウム(口頭講演)

シンポジウム » 加速器・宇宙科学における真空技術の現状と展望

[15p-419-1~8] 加速器・宇宙科学における真空技術の現状と展望

2017年3月15日(水) 13:15 〜 17:30 419 (419)

中村 健(産総研)、吉田 肇(産総研)、本田 融(高エネ研)

14:45 〜 15:15

[15p-419-4] J-PARC RCS真空システム -高放射線下の真空技術-

神谷 潤一郎1、荻原 徳男1、金正 倫計1、山本 風海1 (1.原子力機構)

キーワード:加速器、真空技術、放射線

大強度陽子加速器において、ビームロスの低減、放射線による機器損傷の軽減、および残留放射線量の抑制という各段階での課題を解決するためには、既存の真空技術の正確な選択と新しい真空技術の開発が重要となる。第一に、残留ガスでのビーム散乱や、ビームハローのダクトへの衝突というビームロスの根本原因を減らすため、ビームラインの超高真空の維持と大口径ビームダクト・ベローズが要求される。第二に、発生した放射線による真空装置の劣化や装置の誤動作を防止するため、耐放射線性能を有する真空装置や放射線の影響を最小限にするシステムの構築が必要となる。第三に、高エネルギー陽子や二次粒子による放射化を最小限にするためには、低い残留放射線性能の材料による真空装置の製作が必要である。本講演では、世界最高峰の1MWビーム出力を有するJ-PARC 3GeVシンクロトロンを例に、高放射線下の真空技術を総括することを目的とする。