2018年第79回応用物理学会秋季学術講演会

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シンポジウム(口頭講演)

シンポジウム » 深化する有機半導体結晶:量子解放の分子科学に向けて

[20p-231C-1~9] 深化する有機半導体結晶:量子解放の分子科学に向けて

2018年9月20日(木) 13:30 〜 17:30 231C (3Fラウンジ1)

中村 雅一(奈良先端大)、吉田 弘幸(千葉大)、赤池 幸紀(東理大)

15:45 〜 16:15

[20p-231C-6] 分子性結晶の電子状態の特徴:局在性の変遷

解良 聡1 (1.分子研)

キーワード:電子構造、角度分解紫外光電子分光、電子格子相互作用

分子間力で緩く束縛された分子固体では、その集合状態に依存して相互作用が顕著に異なり、電子状態はしばしば想定外に大きく変化する。最近、角度分解紫外光電子分光法により、ルブレン結晶におけるエネルギー分散関係における準粒子効果の評価に成功した。非局在化した格子振動と局在化した分子内振動が電荷運動と結合し、バンド分散関係の変調と有効質量の増大をもたらしていることがわかった。見え始めた「輸送する電子の姿」から、分子材料の機能・物性の本質を理解するための糸口を提供したい。