2018年第79回応用物理学会秋季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

12 有機分子・バイオエレクトロニクス » 12.2 評価・基礎物性

[21a-231C-1~11] 12.2 評価・基礎物性

2018年9月21日(金) 09:00 〜 12:00 231C (3Fラウンジ1)

山田 洋一(筑波大)、中山 泰生(東理大)

10:45 〜 11:00

[21a-231C-7] アニオン交換を用いた新規ドーピング手法による高分子半導体の伝導特性と熱耐久性の向上

〇(DC)山下 侑1、鶴見 淳人3、大野 雅央1、藤本 亮1、熊谷 翔平1、黒澤 忠法1、岡本 敏宏1,2、渡邉 峻一郎1,2、竹谷 純一1,3 (1.東京院新領域、2.JSTさきがけ、3.物材機構)

キーワード:ドーピング、有機半導体、アニオン交換

高分子半導体の高効率な分子ドーピングは熱電素子への応用など注目を集めている。我々は分子ドーピングの効率および熱耐久性を高める「アニオン交換ドーピング」という新たな手法を報告する。本研究ではPBTTT薄膜のドーピングをF4TCNQドーパント溶液への浸漬により行った。ここで、イオン性化合物EMIM-TFSIが溶液中に存在する場合には、PBTTT薄膜中のF4TCNQラジカルアニオンがTFSIアニオンに自発的に交換されることを光吸収、FT-IR、ESR測定から確認した。用いるイオン性化合物の選択によってイオン間相互作用を適切に制御すると、ドーピング効率の向上が可能であることが分かった。配向化手法を施したPBTTT薄膜の場合には、伝導度は1000 S/cmを超える値を示した。このドーピング手法では安定なアニオン種を高分子半導体に格納することができるため、ドープ膜の熱耐久性を大きく向上できる。