2018年第65回応用物理学会春季学術講演会

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シンポジウム(口頭講演)

シンポジウム » 分野融合で始まる欠陥研究の新時代 ~学会を越えた視点から見えてくるもの~

[17p-C302-1~7] 分野融合で始まる欠陥研究の新時代 ~学会を越えた視点から見えてくるもの~

2018年3月17日(土) 13:45 〜 17:30 C302 (52-302)

沓掛 健太朗(名大)、大野 裕(東北大)

16:30 〜 17:00

[17p-C302-6] 岩石中の結晶欠陥と地球内部超塑性仮説

平賀 岳彦1 (1.東大地震研)

キーワード:地球、鉱物、粒界

上部マントル主要鉱物であるオリビン多結晶体において、超塑性と言える引張歪を高温下で達成させることに成功した。応力-歪速度の関係がほぼ線形であるのにも関わらず、強い結晶軸選択配向を示した。その配向の有無は、オリビンの低指数面粒界の発達の程度に依存することが判明した。変形実験試料表面での変形構造の追跡を行ったところ、顕著な粒界すべりとそれに伴う粒子の回転が生じていた。それに対して、粒内変形はほぼ皆無である。低指数面粒界での選択的な粒界すべりを仮定すると、粒子回転とその結果による選択配向が非常にうまく説明できることがわかった。低指数面粒界は、鉱物の自形(特定の結晶面に支配された形)として、広く岩石に観察される。低指数面粒界は、粒界面における凹凸が小さいため、一般粒界と比べてすべり易いと考えることができる。この新たな集合組織形成メカニズムとそれに基づいて理解される地球内部流動現象を議論する。