14:25 〜 15:00
[18p-F210-3] チップ増強ラマン散乱のカーボンナノ材料への応用
キーワード:ナノコンポジット、TERS、スチレンブタジエンゴム
演者らはチップ増強ラマン散乱を用いてグラフェン、カーボンナノチューブ、ポリマーナノコンポジットの研究を行っている。スチレンブタジエンゴム(SBR)に、多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)を添加したSBR/MWCNTsのラマンスペクトルではSBRに由来するピークとMWCNTsに由来するピークの両方が観測された。同じ点をTERSで測定したところ、ある点ではカーボンナノチューブによるバンドが観測されず、他の点ではカーボンナノチューブのシグナルが観測された。TERSの結果からカーボンナノチューブ近傍ではポリマーのフェニル基とカーボンナノチューブの間でπ―π相互作用が起こり、カーボンナノチューブに沿うような形でフェニル基の配向が変化していると結論した。