2018年第65回応用物理学会春季学術講演会

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シンポジウム(口頭講演)

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[18p-F210-1~10] チップ増強ラマン散乱(TERS)の最前線

2018年3月18日(日) 13:45 〜 17:45 F210 (61-210)

吉村 雅満(豊田工大)、高村(山田) 由起子(北陸先端大)

15:55 〜 16:30

[18p-F210-5] チップ増強ナノスペクトロスコピーの開拓と多様な環境への展開

早澤 紀彦1,2,3 (1.理化学研究所、2.東京工業大学、3.フィリピン大学ディリマン校)

キーワード:近接場、ラマン、プラズモン

チップ増強ラマン散乱(TERS: Tip-Enhanced Raman Scattering)として世界的に認識されるに到る本技術において、最新の成果では、波長633nmの光を用いて、カーボンナノチューブを1.7nmの空間分解能でTERSイメージングが可能となっている。これは常温大気中におけるラマン分光の世界記録である。量子的な効果に実空間でアクセスしうる本手法を、多様な試料に適応させ、分析技術として意味のあるものにするには、用途にあった多様な環境制御下での開発が必須となる。現在、常温大気中での開発を土台として、超高真空・極低温環境~常温大気中~ガス環境制御下~液中のそれぞれで装置開発を行っており、開発状況についての報告を行う。また、我々のグループ以外全く報告例が無い状況であるが、非線形分光手法とチップ増強との相性は極めてよく、その現状と今後についても紹介する予定である。