2019年第80回応用物理学会秋季学術講演会

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一般セッション(口頭講演)

6 薄膜・表面 » 6.6 プローブ顕微鏡

[18a-C310-1~10] 6.6 プローブ顕微鏡

2019年9月18日(水) 09:30 〜 12:15 C310 (C310)

阿部 真之(阪大)

11:00 〜 11:15

[18a-C310-6] 原子間力顕微鏡を用いた酸化チタン表面上の酸素原子の電荷状態と結合状態の制御

〇(D)安達 有輝1、温 煥飛1、張 全震1、宮崎 雅大1、菅原 康弘1、Sang Hongqian2、Brndiar Ján3、Kantorovich Lev2、Štich Ivan3、李 艶君1 (1.阪大院工、2.King’s College London、3.Slovak Academy of Sciences)

キーワード:ケルビンプローブ力顕微鏡、二酸化チタン、電荷操作

本発表では、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、機能性表面の代表である二酸化チタン表面上の酸素分子に対して化学反応(結合、解離)と電荷状態の制御に原子スケールで成功したことを発表する。本研究結果から、酸素分子に対して2個の電子を操作することによって結合状態を制御することが可能であり、1個の電子を操作することによって個々の酸素原子の電荷状態を制御できるということがわかった。さらに、密度汎関数理論の結果から、この結合制御には酸素分子に存在する反結合軌道の電子の存在が大きく関わっていることがわかった。これらの成果は、原子同士の結合に電子が非常に重要な役割を果たすことを直接的に示しており、今後、これらの手法を他の分子や原子などに適用することにより、化学物質の特定の部分の結合状態や電荷状態を調べることが原子スケールで可能になると期待される。