2019年第66回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

12 有機分子・バイオエレクトロニクス » 12.5 有機太陽電池

[11a-S221-1~12] 12.5 有機太陽電池

2019年3月11日(月) 09:00 〜 12:15 S221 (S221)

宮寺 哲彦(産総研)、早瀬 修二(九工大)

12:00 〜 12:15

[11a-S221-12] イオンブロック層を有する逆型ペロブスカイト太陽電池の開発

五反田 武志1,2、森 茂彦1、大岡 青日1、天野 昌朗1、都鳥 顕司1、中尾 英之1、水口 浩司1 (1.東芝研究開発センター、2.東芝エネルギーシステムズ)

キーワード:ペロブスカイト太陽電池、耐久性、シースルー

高耐久性を実現するために、イオンブロック層を有する逆型ペロブスカイト太陽電池を開発した。本研究では、逆型ペロブスカイト太陽電池の素子構造において、イオンブロック層として数十nmのITO層を、銀電極(背面電極)とペロブスカイト層の間に配置した。イオンブロック層を有さない太陽電池セルは、耐熱試験で、劣化率が24%であったが、イオンブロック層を導入した場合、劣化率は1%に抑制されることが明らかになった。イオンブロック層は、ペロブスカイト層から銀電極への電子輸送を阻害することなく、ペロブスカイト層から拡散するヨウ素を、銀電極の手前でブロックする役割を担う。これにより銀電極の腐食を防止すると共に、ペロブスカイト結晶内のヨウ素欠損の増加を防ぐことが出来る。また、ITO層を有するため、銀電極は光透過性が得られるほどに薄膜化が可能になる。光透過性のペロブスカイト太陽電池を実現する事が同時に可能であった。