2019年第66回応用物理学会春季学術講演会

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シンポジウム(口頭講演)

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[11p-M135-1~13] ナノ物質光マニピュレーションが拓く新奇現象・機能・技術

2019年3月11日(月) 13:30 〜 19:00 M135 (H135)

田中 嘉人(東大)、藤原 英樹(北大)

16:30 〜 17:00

[11p-M135-8] 角運動量を持つ光波による物質操作

尾松 孝茂1 (1.千葉大院工)

キーワード:角運動量、光圧、物質操作

螺旋波面に由来する円環型の強度分布と軌道角運動量を持つ光波を総称して光渦と呼ぶ。1992年、Allenが光渦が持つ軌道角運動量の存在を理論的に指摘してから25年の年月が経った。現在、光渦は、空間多重光通信や超解像顕微鏡など様々な応用が検討されている。われわれは、光渦を物質に照射して物質の階層的構造を操作している。例えば、金属やシリコンに光渦を照射すると、融解した金属やシリコンは角運動量を受取り、サブ波長スケール〜マイクロメートルスケールの螺旋構造体に変形する。また、光硬化樹脂に光渦を照射すると、硬化した樹脂は螺旋ファイバーになる。さらには、円偏光のスピン角運動量と光渦の軌道角運動量が結合し、より高次の構造体を創り出す。本講演では、われわれがこれまで行ってきた角運動量を持つ光波による物質操作とその今後の展開を概説する。