10:30 〜 10:45
[10a-Z24-7] 帯電が誘起する強誘電直方晶HfO2薄膜の安定性:第一原理計算による検討
キーワード:HfO2, 強誘電体, 第一原理計算
HfO2は様々な結晶構造を持つ。その中でも直方晶 (Pca21: 以下O1相)は強誘電性を示すため、次世代の不揮発性メモリーへの応用が期待されている。しかし、常温における安定結晶相は、バルクでは単斜晶(P21/c: M相)[1]、超薄膜では別の直方晶(Pnm21: O2相)[2]であり、実験においてどのようなメカニズムでO1相が実現されているかは未だ明らかでない。我々はこれまでに第一原理計算を用いて、バルク結晶において、HfO2中の酸素空孔Voが正に帯電すると、M相に代わりO1相が安定になる可能性を示した[3]。そこで、本研究では薄膜HfO2層を対象として、第一原理計算により、Voの帯電がO1, O2,およびM相の安定性をいかに変化させるかを検討した。