[11a-Z28-1~16] 17.1 カーボンナノチューブ，他のナノカーボン材料

△ [11a-Z28-3] 触媒アシスト加熱延伸処理によるカーボンナノチューブ紡績糸の高強度化

〇(D)井上 寛隆¹、中川 智広¹、前谷 光顕¹、那須 郷平¹、鈴木 弘朗¹、西川 亘¹、山下 善文¹、羽田 真毅²、高橋 和彦³、林 靖彦¹ (1.岡大院自然、2.筑波大数理、3.トヨタ自動車)

キーワード：カーボンナノチューブ紡績糸, 通電加熱

カーボンナノチューブ(CNT)紡績糸に対する通電加熱処理において，CNT紡績糸中の鉄触媒の有無が機械強度に及ぼす影響について調査した．CNTアレイ上に真空蒸着によって鉄を堆積させ，そこから引き出したCNT紡績糸に対して，張力をかけた状態で2700 K，1秒間の通電加熱処理を施す．加熱前のCNT紡績糸の引張破断強度は鉄触媒の有無に関わらずほぼ同値であったが，加熱後の強度は鉄を添加した試料が30%程度高い値となった．炭素溶解度の大きな鉄が，大きなキンクの修復やCNT間の結合形成に寄与している可能性があり，発表当日は透過型顕微鏡観察やラマン測定結果を踏まえて議論する．