2020年第81回応用物理学会秋季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

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[9a-Z14-1~12] 2.5 医用応用

2020年9月9日(水) 08:30 〜 11:30 Z14

村石 浩(北里大)

11:00 〜 11:15

[9a-Z14-11] 標的内空洞による治療用炭素イオン線のずれの即発X線測定による推定

山口 充孝1、山本 誠一2、喜多野 真紀2、久保田 佳樹3、酒井 真理3、赤城 卓4、長尾 悠人1、河地 有木1 (1.量研高崎、2.名古屋大、3.群馬大、4.兵庫県立粒子線医療セ)

キーワード:粒子線がん治療, 即発X線, 二次電子制動放射

内部に空洞のあるポリエチレン標的に入射した炭素イオン線をX線カメラで撮像し、空洞により生じる炭素イオン線のビーム軸方向のずれの推定能力を評価した。直方体形状の空洞を内部に持つポリエチレン標的に241.5 MeV/uの炭素イオン線を照射し、標的の横にピンホール型即発X線カメラを設置してビーム軌跡画像を取得した。空洞のビーム軸方向の厚さは3.0 cmから0.0 cmに0.3cmずつ変化させ、それぞれの厚さにおいて7.5 × 1010個の炭素イオンを入射した。得られた画像にはビーム軌道および空洞に起因する軌道上のギャップが明瞭に確認された。画像から推定したビームのずれは、空洞の厚さとよく一致し、本手法により標的内部の空洞によるビームのずれを0.2 cm程度の精度で評価できることが分かった。