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[14a-PB5-1] 原子間力顕微鏡による酸化チタン表面上の酸素分子の回転制御
キーワード:ケルビンプローブ力顕微鏡、二酸化チタン、酸素分子
機能性表面である二酸化チタン(TiO2)表面上において単分子レベルで吸着状態を調べることは、触媒開発の分野において特に重要である。本研究では、超高真空・極低温環境で動作する周波数変調方式原子間力顕微鏡 (FM-AFM)を用いて酸素分子の吸着状態を調べた。STMの場合、非弾性トンネルによって分子を回転させることが可能だが、電子を受け取って解離しやすい酸素分子にこの手法は適していない。そこで、本研究では、電場を用いた回転制御に挑戦した。本研究結果から、吸着したO2は、2つの双安定な吸着状態を持つことがわかった。また、電場を用いて、この双安定な吸着状態間の回転制御に成功した。今後は、さらにこの表面上に金ナノ微粒子を担持させて、電子状態や電荷状態の解析を進めていくことにより、触媒の反応機構や金属酸化物上の金属ナノ微粒子の触媒機構を原子レベルで解明する。