2020年第67回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

16 非晶質・微結晶 » 16.1 基礎物性・評価・プロセス・デバイス

[14p-A407-1~12] 16.1 基礎物性・評価・プロセス・デバイス

2020年3月14日(土) 13:15 〜 16:30 A407 (6-407)

寺門 信明(東北大)、斎藤 全(愛媛大)

16:15 〜 16:30

[14p-A407-12] 高温高圧シリカガラスの更なる低損失化に向けた研究
-分子動力学シミュレーションと構造安定性の実験的評価-

小野 円佳1,2、田邊 泰人1、藤岡 正弥1、Yongjian Yang3、John Mauro3、西井 準治1 (1.北大電子研、2.AGC(株)、3.ぺンステート大)

キーワード:シリカガラス、レイリー散乱

光ファイバーの光損失の80%はレイリー散乱に由来する。近年、高温高圧下で合成されたシリカガラスにおいて、レイリー散乱が抑制されることが報告された。この報告では、ガスを圧力媒体とし温度1800℃、常圧~0.2 GPaの圧力範囲で等方加圧したガラスを調べており、圧力増加に伴う散乱の低下が観測された。更に高圧処理を行うことで散乱が更に抑制される可能性がある。しかし、0.2 GPa以上の高圧処理には固体媒体を使う方法が一般的で、この場合均質な試料のサイズが限られ、散乱測定が困難であった。そこで本研究では、計算シミュレーションと実験による構造解析の2つの方法から、レイリー散乱の圧力依存性を推測した。いずれの方法でも、圧力の増加とともに散乱が低下し、1-4GPa付近で散乱が極小値となることが示唆された。