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[11a-N104-2] 理論計算に基づくチタン酸スピネル骨格の安定性評価
キーワード:立方晶構造(スピネル)、Li-ion蓄電池用安定負極材料、Na-ion蓄電池用安定負極材料
Li-ion蓄電池の安定負極として知られるチタン酸リチウム(LTO)と、近年開発されたチタン酸ナトリウム(NTO)はスピネル型のチタン酸骨格を有している。このTiサイトで生じているLiのミキシングがスピネル骨格の安定性に与える影響を調べるため、密度汎関数理論に基づく大量計算を実行した。その結果、(1) Liが空間的に高分散である方が安定であること、(2) 16dサイトのリチウム間に働くみかけの静電反発によってチタン酸スピネル骨格の安定性が記述できることが明らかとなった。この結果はLTOとNTOで共通しており、LiやNa以外の遷移金属カチオンとの複合酸化物としてのスピネル型チタン酸化合物の合成可能性が理論計算より示唆された。