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[16p-Z09-4] 室温大気中における高速カシミール力計測システムの開発
キーワード:カシミール力、カンチレバー、PLL
カシミール力は、平行な2枚の導体板間に引力が働く現象として知られている。これまで真空環境下では、高速でドリフトの影響を受けにくい周波数シフト方式によるカシミール力計測例が多数報告されている。一方、大気中では、空気に起因した流体力学的相互作用力がカシミール力測定のノイズとなるため、周波数シフト方式ではなく、2つの導体板の振動の位相差からカシミール力と流体力学的相互作用力を分離し計測する方法が用いられてきた。この方法は信号積算時間が長く、周波数シフト方式と比較してドリフトの影響を受けやすい。しかし大気中では、空気を介した熱の授受により真空中よりもドリフトが発生しやすいため、高速なカシミール力計測法の開発が強く望まれている。そこで本研究では、大気中でもドリフトの影響を受けにくいカシミール力計測の実現にむけ、力変化に対する応答が高速なPLLを用いたカシミール力計測システムの開発に取り組んでいる。