2021年第68回応用物理学会春季学術講演会

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一般セッション(口頭講演)

11 超伝導 » 11.3 臨界電流,超伝導パワー応用

[17p-Z21-1~10] 11.3 臨界電流,超伝導パワー応用

2021年3月17日(水) 13:30 〜 16:15 Z21 (Z21)

小田部 荘司(九工大)、末吉 哲郎(熊本大)

13:45 〜 14:00

[17p-Z21-2] Tallon 等の「超電導薄膜の普遍的な自己磁界臨界電流」に対する考察

山崎 裕文1 (1.ISS 実行委員会)

キーワード:超電導薄膜、自己磁界臨界電流密度、ナノ粒子ピン

これまで筆者は、YBCO 薄膜の自己磁界下の Jc(T) について、濃度は低いものの確かに存在する比較的大きなナノ析出物による磁束ピン止めが規定していると考えた。Jc ~ Hc^2ξab ~κφ0/λab^3 (1) となり(ξab: GLコヒーレンス長、λab: 磁界侵入長)、自己磁界下 Jc の逆数が(λab^3に比例する)表面抵抗 Rs と良い相関があるという実験結果を説明できる。最近、Tallon 等は、第2種超電導体薄膜の自己磁界 Jc = Hc1/λ(T) ~ φ0/λ(T)^3 (2) という普遍的な式を提案し、多くの超電導体が (2) 式の温度依存性に従うという実験結果を示した。しかし、(2) 式は両端から侵入した磁束のピン止めを考慮していない点で問題がある。筆者は、ピン止めの議論から得られる (1) 式が、(2) 式の温度依存性の起源であると考察したので報告する。