[20p-B104-1~20] 12.4 有機EL・トランジスタ

[20p-B104-7] 分子内プロトン移動性を有する有機半導体中の電荷輸送

中野 恭兵¹、梁 逸偉²、西山 裕介^3,4、魚返 祐太朗^3,4、山崎 俊夫⁵、橋爪 大輔¹、〇但馬 敬介¹ (1.理研CEMS、2.阪大産研、3.理研-JEOL連携セ、4.JEOL RESONANCE、5.理研BDR)

キーワード：有機半導体、プロトン移動、互変異性体

分子内水素結合によって平面化したπ共役構造を持ち、互変異性によって分子内プロトン移動が可能な有機半導体分子として、2,2’-bi-1H-indene-3,3’-dihydroxy-1,1’-dione (BIT)の誘導体群を新たに合成した。片側に長鎖アルキル基を有するC₁₆-BITでは、薄膜中で電荷輸送に適したラメラ構造を誘起することができ、OFETにおいて比較的良好なホール移動度0.01 cm²/Vsを観測した。また別のBIT誘導体において、固体NMR等から分子内での高速なプロトン移動が固体中でも起こっていることが示唆された。