2022年第83回応用物理学会秋季学術講演会

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シンポジウム(口頭講演)

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[22p-B101-1~8] 先端計測と機能性酸化物研究の共進化

2022年9月22日(木) 13:30 〜 17:45 B101 (B101)

上野 和紀(東大)、松野 丈夫(阪大)

17:15 〜 17:45

[22p-B101-8] HAXPESを用いた酸化物薄膜評価

田口 宗孝1、水谷 天勇1、佐瀬 輝彦1、田中 哲1、松岡 秀樹2、中野 匡規2、和達 大樹3,4、堀場 弘司5、北村 未歩5、岩佐 義宏2、組頭 広志5,6、藤井 景子7、吉木 昌彦7 (1.東芝ナノアナリシス、2.東大院工、3.兵庫県立大物質理、4.阪大レーザー研、5.高エ研物構研、6.東北大学多元研、7.東芝 研究開発センター)

キーワード:全反射HAXPES

光電子のプローブ深さが大きくなった硬X線光電子分光(HAXPES)は、プローブ深さが浅く表面感度が高いという従来の軟X線励起の光電子分光の弱点を克服することに成功した分光法として近年研究が盛んに行われている。一方で、表面状態の分析を目的としてX線の全反射条件下でのHAXPES測定が半導体材料を中心にしばしば行われている。全反射条件ではX線が全反射臨界角で入射するため、物質中へ侵入できる深さが制限される。今回我々は、この全反射HAXPESを強相関電子系材料に応用することを試みた。本手法を用いると、X線の入射角度を僅かに変更するだけで表面とバルクの電子状態の両方を同じビームライン・同じエネルギー分解能で測定することが可能になる。本講演では、全反射と通常測定から得られた強相関電子系材料の表面とバルクの電子状態の違いについてその詳細を報告する予定である。