2022年第69回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

3 光・フォトニクス » 3.6 超高速・高強度レーザー

[25a-D316-1~10] 3.6 超高速・高強度レーザー

2022年3月25日(金) 09:00 〜 11:30 D316 (D316)

佐藤 健(東大)

09:45 〜 10:00

[25a-D316-4] 金属-誘電体ハイブリッド構造を用いた光電場計測素子の開発

〇新井 滉1、岡崎 大樹1、森近 一貴1、芦原 聡1 (1.東大生研)

キーワード:光電場波形計測、トンネル電子放出、プラズモニクス

アト秒科学の著しい発展に伴い,キャリア・エンベロープ位相まで含めた,光電場の精密な計測の需要が高まっている.現在主流の希ガスを用いた計測法は,真空装置と高い光強度を必要とする.この問題点に対し我々は,大気環境下において,低い光強度でも光電場を計測できる素子の開発を目的とした.これまでに,我々は,金ナノアンテナからの光電界電子放出を用いた素子を開発した.実験の結果,1 nJ以下でのトンネル電子放出を達成した.また,光電場振幅のわずか2%の非対称性が13%の電流変調として現れることを観測し,光電場に対する敏感性を実証した.今回,我々は,金属-誘電体ハイブリッド構造の利用を着想した.本構造を採用することで,光電変換効率が大きく向上し,また長時間露光に対する電流値の安定性が向上することが確認された.以上より,本提案手法は,光電場計測のための新規全固体素子として有望なものであると言える.