2022年第69回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

12 有機分子・バイオエレクトロニクス » 12.2 評価・基礎物性

[25p-E304-1~15] 12.2 評価・基礎物性

2022年3月25日(金) 13:45 〜 18:00 E304 (E304)

山田 洋一(筑波大)、細貝 拓也(産総研)、深川 弘彦(NHK技研)

14:30 〜 14:45

[25p-E304-4] 高感度紫外光電子分光法を用いた有機薄膜のギャップ内準位の観測と解釈

〇(DC)中澤 遼太郎1、渡邊 研太1、大原 正裕1、菊池 武文1、田中 有弥1,2、東海林 弘3、石井 久夫1,2,4 (1.千葉大融合理工、2.千葉大先進、3.出光興産、4.千葉大MCRC)

キーワード:高感度紫外光電子分光、有機半導体、ギャップ内準位

半導体デバイス特性は禁制帯に存在する微弱なギャップ内準位に大きく左右される。ギャップ内準位の解明は必要不可欠だが、一般的な紫外光電子分光(UPS)はギャップ内準位を観測するには感度不足だった。そこで我々は、入射光の波長を変えながら高感度でUPS測定を行う高感度紫外光電子分光(HS-UPS)を開発した。本研究では、複数の有機EL材料にHS-UPSを適応しギャップ内準位の観測を試みた。その結果7桁というワイドレンジで光電子放出を確認し、ギャップ内準位の観測に成功した。さらに仕事関数以下のエネルギーの入射光でも明確な光電子放出を確認しており、ギャップ内の光電子放出はギャップ内準位のほか負イオン状態や励起状態を観測している可能性がある。講演でスペクトルの解釈を詳細に議論する。