2023年第70回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

6 薄膜・表面 » 6.6 プローブ顕微鏡

[16a-D405-1~8] 6.6 プローブ顕微鏡

2023年3月16日(木) 09:30 〜 11:45 D405 (11号館)

大塚 洋一(阪大)

09:30 〜 10:00

[16a-D405-1] [第7回薄膜・表面物理分科会論文賞受賞記念講演] プラズモン薄膜導波路プローブによる低バックグラウンド探針増強ラマン分光

張 開鋒1,4、包 一凡2、曹 茂豊2、谷口 伸一1、渡辺 正浩1、神林 琢也1、岡本 敏弘3、原口 雅宣3、王 翔2、小林 圭4、山田 啓文4、任 斌2、立崎 武弘5 (1.日立研開、2.(中国)厦門大化工、3.徳島大pLED、4.京大工、5.東海大工)

キーワード:探針増強ラマン分光、プローブ顕微鏡、ラマン分光

一般的な探針増強ラマン分光法(TERS)では,励起光の照射領域は探針先端部よりはるかに大きく,探針直下以外からのラマン光や蛍光(背景信号)を発生させる.局所TERS信号よりも強いため,測定感度・解像度低下の原因となる.そこで,プラズモン薄膜導波路を用いた低バックグラウンド TERSを新たに開発した.背景信号を極限的に抑圧することができ,蛍光及び強いラマン活性を示すバルクダイヤモンド試料の表面において,増強因子(Enhanced Factor: EF)が104に達成したTERS測定に成功した.開発したプラズモン薄膜導波路プローブによるTERSは試料の制約が少ないため,多様な環境下での TERS 測定への展開が期待でき,TERS 技術のさらなる普及と発展に寄与すると考える.