2023年第70回応用物理学会春季学術講演会

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一般セッション(ポスター講演)

12 有機分子・バイオエレクトロニクス » 12.2 評価・基礎物性

[16p-PB01-1~14] 12.2 評価・基礎物性

2023年3月16日(木) 16:00 〜 18:00 PB01 (ポスター)

16:00 〜 18:00

[16p-PB01-8] 真空蒸着で作成した低分子有機膜の表面エンタルピー状態とMg蒸着性

辻岡 強1、土肥 愛実1 (1.大阪教育大学)

キーワード:エンタルピー回復、Mg蒸着性、表面ガラス転移点

ジアリールエテン膜が光異性化状態に対応してガラス転移点(Tg)が変化しそれに従いMg蒸着性も変化することを報告してきた。Mgの蒸着性は表面の物性に影響され、最表面が柔軟であるとMgは堆積しにくくなる。一方、真空蒸着で形成された低分子ガラス膜は、バルクから溶融・急冷して形成したガラス状態に比べ、エンタルピーが小さく結晶化しにくい安定状態であることが報告されている。今回、真空蒸着で形成したNPB膜のアニールによる表面エンタルピー状態と表面Tgの変化が、バルク溶融で形成したガラス状NPBとのそれと大きく異なることを見出した。蒸着NPB膜はTg以下の温度でのアニールによりエンタルピー回復が起こり、Mgが堆積しにくくなった。