2023年第70回応用物理学会春季学術講演会

講演情報

一般セッション(口頭講演)

9 応用物性 » 9.4 熱電変換

[17a-D411-1~7] 9.4 熱電変換

2023年3月17日(金) 09:45 〜 11:45 D411 (11号館)

松下 祥子(東工大)、桂 ゆかり(物材機構)

10:45 〜 11:00

[17a-D411-4] 熱化学セルに及ぼすGuanidinium添加のエントロピー効果

関 和彦1、Nandal Vikas1、衛 慶碩1、向田 雅一1、堀家 匠平2、桐原 和大1 (1.産総研、2.神戸大院工)

キーワード:熱化学電池、ゼーベック係数、グアニジニウム

熱化学電池は、温度の異なる電極間での酸化還元反応を利用して、熱から電気エネルギーを取り出すデバイスである。従来はイオンの可逆酸化還元反応が使われてきたが、電解質にグアニジニウムイオン尿素等の添加剤を導入することにより、ゼーベック係数が3倍以上に上がることが実験的に示されてきた。本研究では、高温電極と低温電極の間の起電力差をグアニジニウムイオンの配向のエントロピーを考慮して計算し、実験結果を定量的に説明することを示す。電力についての実験結果によると、グアニジニウムイオンと電極との直接の相互作用ではなく配向エントロピーがゼーベック係数増大の要因であることが示唆された。Ferricyanide/ferrocyanide/guanidinium熱化学電池は高いゼーベック係数が得られているが問題点は劣化である。この問題を解決するための試みも紹介する。