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[17p-A408-2] PdCrO2/CuCrO2ヘテロ構造における不純物相形成メカニズム
キーワード:デラフォサイト、密度汎関数理論、第一原理計算
PdCrO2膜はAl2O3基板上のCuCrO2バッファー層上で合成される。この合成には不純物相の偏析が伴い、このことが高純度のPdCrO2膜の合成を妨げている。我々は、実験と第一原理計算を組み合わせて、不純物相の偏析の原因について検討した。X線回折と走査型透過電子顕微鏡の実験により、PdCrO2上にCuxPd1-x合金とクロム酸化物であるCr2O3とCr3O4が不純物相として存在していることを明らかにした。計算の結果、完全な化学量論比から酸素原子が不足すること(すなわち、既存の酸素空孔や酸素分子の放出)が、不純物相の偏析の原因となることを見出した。したがって、デラフォサイトからの酸素放出を防ぐことで、不純物相の偏析を抑制することができると考えられる。当日は、実験および第一原理計算の結果を提示すると共に、上記の結論に至る議論を説明する。