The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[II-29-01_03] 栄養・飼養(II-午前)

Fri. Mar 29, 2019 9:00 AM - 9:30 AM 第II会場 (8号館8302講義室)

Chairman:Hajime Kumagai

9:00 AM - 9:10 AM

[II29-01] ソバ殻抽出物の添加がin vitroルーメン発酵に及ぼす影響

Fujimori Miho, Hanada Masaaki, Nishida Takehiro, Fukuma Naoki (Obihiro Univ. of Agriculture and Veterinary Medicine)

【目的】近年,家畜の消化管内環境を最適化する天然由来の機能成分の探索が数多く行われている.本研究で着目するソバ殻は,ルーメン内において酢酸を主体とする発酵パターンを示すこと,および牧草乾草を炭素源としたin vitroルーメン発酵に添加することで酢酸・プロピオン酸比率が増加することが報告されている.本研究では,様々な粗濃比条件下におけるソバ殻抽出物のルーメン発酵に与える影響を評価した.【方法】ホルスタイン乾乳牛から得たルーメン液と人工唾液を混合し,in vitro バッチ培養試験を行った.培養基質の粗濃比が異なる試験区(0:100, 20:80, 50:50, 80:20)をそれぞれ設け,ソバ殻抽出物を添加した添加区,および添加なしの対照区を用意し,39℃で48時間の嫌気培養を行った.培養後,ガス生成量,pHおよび短鎖脂肪酸濃度を測定した.【結果】濃厚飼料多給条件(粗濃比0:100および20:80)において,添加区で酢酸産生量および短鎖脂肪酸総量が有意に増加し(P < 0.01),酢酸比率の増加(P < 0.05),酢酸・プロピオン酸比率の増加(P < 0.05,粗濃比0:100)または増加傾向(P < 0.1,粗濃比20:80)が確認された.これらの結果から,濃厚飼料多給条件下でのルーメン内短鎖脂肪酸比率調整材の候補として,ソバ殻のさらなる応用が期待される.