The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[II-29-07_09] 栄養・飼養(II-午前)

Fri. Mar 29, 2019 10:00 AM - 10:30 AM 第II会場 (8号館8302講義室)

Chairman:Shozo Tomonaga(Grad. Sch. Agric. Kyoto Univ.)

10:20 AM - 10:30 AM

[II29-09] ウチワサボテン(Op)のヤギでの消化性とOp摂取がヤギの血液性状および抗酸化能に及ぼす影響

Nishizawa Makoto, Hayashi Yoshiaki (Graduate School of Agriculture, Meijo Univ.)

【目的】Opは高い環境適応力や貯水能を持ち,近年,飼料としても世界的に注目されている.ヒトに対する抗酸化能が知られているが,家畜での影響は明らかでない.そこで,環境適応力が高く,多用途な家畜であるヤギへのOp給与が消化性,血液性状および抗酸化能に及ぼす影響を調査した.【方法】シバヤギ5頭を代謝ケージで個別管理し,基礎飼料としてライグラスストローのみ給与する対照区と,基礎飼料にOpを現物で1 kg/日添加給与する試験区を設定し,全糞採取法による消化試験を1期14日間の反転法で3期行った.飼料摂取量,糞量,飼料および糞の成分を測定し,飼料の消化率を算出した.また,頸静脈より採血し,血中成分と生物学的抗酸化能(BAP)を測定した.【結果】Opの消化率はいずれの成分においてもライグラスストローより高値を示し,ヤギでのOpの飼料利用性の高さが示された.他方,Op摂取で血中の尿素窒素,遊離脂肪酸,グルコース濃度が増加し,総コレステロール(T-CHO)濃度が減少した(61.1 vs. 69.1 mg/dL, p<0.05).Opに含まれるケルセチンやペクチンは血中T-CHO濃度を減少させると報告されており,各成分によるヤギへの影響が考えられた.また,Op摂取でBAPが増加し(2626.3 vs. 2479.5 μmol/L, p<0.05),ケルセチンのもつ活性酸素消去作用がヤギの抗酸化能向上に有効と示唆された.