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[II29-18] 「たちすずか」イネWCSの多給が泌乳中後期牛の生産性に及ぼす影響
【目的】関東以北で生産された高糖分高消化性イネWCSの嗜好性,発酵品質および適切な給与水準等の特性を明らかにするため,「たちすずか」イネWCSを泌乳中後期の乳牛へ給与し,乳生産および飼料摂取量等に及ぼす影響について検討した.【方法】3県の公設試験場で管理する2産以上のホルスタイン種泌乳牛18頭(分娩後150~240日)を供試し,1期21日(馴致期14日,本期7日)の3×3ラテン方格法で給与試験を実施した.試験処理は「たちすずか」イネWCSを飼料乾物中30%,40%混合する2区とチモシー乾草を主とする対照区として,全ての飼料を発酵TMRに調製し供試した.【結果】乾物摂取量(DMI)では,対照区22.5kg/日,30%区20.8kg/日および40%区21.7kg/日であり,乳量では対照区30.6kg/日,30%区26.9kg/日および40%区29.1kg/日となり,DMI,乳量ともに30%区が少なかった(P<0.05).ルーメン液および血液生化学性状については正常の範囲内であった.以上のことから,泌乳中後期牛への「たちすずか」イネWCSを混合した発酵TMRの給与では,30%区でDMIが低下した原因については現在検討中であるが,40%区では対照区と同等の生産性が得られたことから,「たちすずか」イネWCSの利用拡大の可能性が示唆された.