The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[II-29-18_20] 栄養・飼養(II-午後)

Fri. Mar 29, 2019 1:00 PM - 1:30 PM 第II会場 (8号館8302講義室)

Chairman:Shirou Kushibiki

1:20 PM - 1:30 PM

[II29-20] タンパク給与量調節による泌乳ギアチェンジ栄養供給法における泌乳初期乳牛の血中ホルモン濃度の変化

Itoh Fumiaki, Yamazaki Takeshi, Takusari Naozumi (Hokkaido Agricultural Research Centre, NARO)

【目的】我々は,第124回大会においてギアチェンジ栄養供給法,すなわち飼料タンパクの供給調節により泌乳初期の乳生産を一時的に抑制しその後回復させることが可能で,エネルギーバランスは改善することを示した.また,泌乳量が回復した後に体重やBCSは対照区よりも増大した.本発表では,血中ホルモン濃度の変化を中心に血液成分の反応を報告する.【方法】ギアチェンジ栄養供給法では,分娩後4週まで低タンパク,その後は10週まで高タンパク飼料を給与した.分娩後,供試牛の頸静脈から週1回採血を行い,血漿を採取・凍結保存した.生化学・代謝産物濃度は自動分析計を用いて,血漿ホルモン濃度はTR-FIA法により測定した.【結果】血液生化学やミネラルの項目では,対照区とギアチェンジ区ともに異常値はなく,泌乳初期の低タンパク処理による健全性への影響はなかった.泌乳調節ホルモンであるプロラクチンとGH濃度には,両区で差はなかった.一方,IGF-I濃度は,ギアチェンジ区で有意に高く推移した.インスリンとグルカゴン濃度はともに,高タンパク飼料給与による泌乳ギアチェンジ後に対照区よりも高くなった.【結論】高タンパク飼料への切り替えによる泌乳量回復後のBCSと体重の増加には,インスリンとグルカゴンが同時に上昇した内分泌反応が関与して,栄養素が乳生産と体組織維持の両方に利用されていた可能性が示唆される.