The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[II-29-37_38] 栄養・飼養(II-午後)

Fri. Mar 29, 2019 4:10 PM - 4:30 PM 第II会場 (8号館8302講義室)

Chairman:Fuminori Terada(Tohoku University)

4:10 PM - 4:20 PM

[II29-37] 暑熱環境が黒毛和種繁殖牛における乳汁のアルコール不安定性に及ぼす影響

Takemoto Satoshi, Suzuki Kei, Yamamoto Ryuichi, Owada Hisashi, Hirano Kazuo (Zennoh)

【目的】黒毛和種繁殖牛においてしばしば認められるアルコール不安定乳は,子牛の発育に悪影響を及ぼすことが報告されており,問題になっている.暑熱環境は家畜の生産性を低下させるので,アルコール不安定乳の発生数の増加や程度の増悪に関与する可能性がある.本試験では,暑熱環境が黒毛和種繁殖牛における乳汁のアルコール不安定性に及ぼす影響を調査するとともに,アルコール不安定性と関連する血清生化学値を調査した.【方法】分娩約5日前の黒毛和種繁殖牛を供試し,試験開始日から分娩後5日までの温湿度指数を基に対照群(n=9)と暑熱群(n=11)に割り当てた.分娩約5日前,直後,5日後に血清生化学検査を行なった.また,分娩後5日間の前搾り後の乳汁を採取し,アルコールテストを実施し,凝集の程度により不安定性を評価した.【結果】暑熱環境はアルコール不安定乳の発生数を増加させた.初乳のアルコール不安定度は対照群と暑熱群間の有意な差はなかったが,分娩1日後以降の暑熱群の乳汁のアルコール不安定度は対照群より高かった.また,分娩5日後の乳汁のアルコール不安定度は一部の血清生化学値と相関が認められた.以上より,黒毛和種繁殖牛において,暑熱環境は乳汁のアルコール不安定性の発生数の増加および程度の悪化に影響することが示され,さらにアルコール不安定性と血清生化学値の関連性が示唆された.