The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[IX-29-15_17] 栄養・飼養(Ⅸ-午後)

Fri. Mar 29, 2019 1:00 PM - 1:30 PM 第IX会場 (8号館8502講義室)

Chairman:Mitsuhiro Furuse(Faculty of Agriculture, Kyushu University)

1:10 PM - 1:20 PM

[IX29-16] 生後24時間の初乳摂取が仔豚の小腸の組織形態に及ぼす影響

Maeda Machi1, Kawada Yuki1, Kobayashi Rana1, Tai Syoya1, Tamaki Ryuji1, Jinbo Itsuki1, Uryu Haruka1, Morishima So1, Yamashita Taiga1, Tsukahara Takamitsu2, Inoue Ryo1 (1.Kyoto Prefectural Univ., 2.Kyoto Institute of Nutrition & Pathology)

ブタの初乳には,子豚の栄養となる成分や移行免疫の成分に加え腸管の発達を促す成分が含まれ,初乳摂取と腸管発達の関与は多数報告されている.一方,出生直後の仔豚の腸管上皮細胞は,初乳の成分を獲得するための特殊な空胞をもつが,これらの組織形態と初乳摂取の関与を詳細に検討した研究は少ない.本研究では,生後24時間の初乳摂取の有無が仔豚の小腸の組織形態に及ぼす影響を評価した.
3腹の新生仔豚(LWD)計17頭のうち9頭を初乳摂取群,残りを非摂取群に分けた.摂取群は通常通り母豚のもとで飼育し,非摂取群は出生直後に母豚から隔離し生後24時間代用乳を摂取させた.生後24時間に全頭を解剖し,小腸を採取し,重量を測定した.小腸を8等分し,ホルマリン固定した後,組織標本(HE染色)を作製し,光学顕微鏡下で絨毛高の測定及び組織形態学的な評価を行った.
体重1 kgあたりの小腸重量は,摂取群で非摂取群より有意に高値を示した (p < 0.01).また絨毛高は,全ての部位で摂取群が非摂取群よりも有意に高値を示した (p < 0.05).両群ともに小腸の全ての部位で多くの空胞をもつ腸管上皮細胞が観察されたが,摂取群の空胞の内部がエオジンで濃いピンク色に染色されたことに対し,非摂取群の空胞内部は染色されなかった.以上より,生後24時間の初乳摂取が仔豚の小腸の組織形態を大きく変化させることが示唆された.