The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[I-YS-01_02] 優秀発表賞演題(第Ⅰ会場)

Thu. Mar 28, 2019 9:00 AM - 9:30 AM 第I会場 (8号館8301講義室)

Chairman:Keita Nishiyama

9:15 AM - 9:30 AM

[IYS-02] 熟成チーズにおけるLactobacillus paracasei EG9株の乳たんぱく質分解関連遺伝子の発現解析

Asahina Yui1, Hagi Tatsuro2, Kobayashi Miho2, Narita Takumi2, Tajima Atsushi1, Nomura Masaru2 (1.Graduate school of Life and Environmental Sciences, Univ. of Tsukuba, 2.Institute of Livestock and Grassland Science, NARO)

【目的】Lactobacillus paracasei EG9株は熟成チーズから分離された新規獲得株である.チーズ製造の補助スターターとして利用することにより熟成180日後の遊離アミノ酸含量の有意な増加が認められ,本株のチーズ熟成中のたんぱく質分解への関与が示唆された.本研究では熟成チーズにおける本株の乳たんぱく質分解関連遺伝子の発現を観察した.
【方法】EG9株ゲノム配列上に相同性解析により既知乳たんぱく質分解関連遺伝子を探索し,各推定遺伝子配列について特異的PCRプライマーを作成した.製造後0日と30日のEG9株添加チーズからtotal RNAを調製し,定量的RT-PCRにて標的遺伝子の相対的発現量を算出した.対照区にはスキムミルク培養の定常期菌体total RNAを用いた.
【結果】調査した38の既知乳たんぱく質分解関連遺伝子のうち,ペプチダーゼ,細胞壁結合型プロテイナーゼ,ペプチド輸送系,たんぱく質分解関連遺伝子制御因子に該当する計31推定遺伝子配列がEG9株染色体上に認められた.製造後0日では対照区に対し有意な発現変化は見られず定常期と同じ状態であると考えられた.一方,製造後30日では対照区に対し全ての標的遺伝子で有意な発現上昇が認められた.よってEG9株はチーズ中で休止状態にあるのではなく,熟成中に定常期と異なる活動に移行してチーズのたんぱく質分解に影響を与えることが示唆された.