The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

[P-29-20_38] Poster session

Fri. Mar 29, 2019 9:00 AM - 3:30 PM ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-34] 媒精時に与える振動およびその強度がブタ体外受精胚における受精状況ならびその後の発生に及ぼす影響

品田 晃平, 日巻 武裕 (岐阜大院自然科学)

【目的】ブタ体外受精胚の生産技術は優良個体の増産や遺伝子改変ブタの作出に有効である.しかし,その生産効率は体内に比べて依然として低い.この要因の一つに多精子受精がある.雌ブタ体内では卵と精子が卵管の蠕動運動によって動きながら受精することで多精子受精が抑制されていると考えられる.したがって,本研究では,振動を与えながら体外受精を行い,卵管の蠕動運動を模倣することで,与える振動が受精状況ならびその後の発生状況に及ぼす影響について検討した.【方法】屠場由来のブタ卵巣から卵丘-卵母細胞複合体を採取し,成熟培養した後,卵丘細胞を完全に剥離し,静置区,低振動区,中振動区,高振動区の4区に分けて10分間隔30秒間の振動を与えながら精子濃度1×10⁶個/ml で6時間媒精した.媒精後,一部の卵を抜き取り透明帯付着精子数を調べた.その他の卵は発生培養を継続し,受精状況,卵割状況および胚盤胞形成状況を観察した.【結果】静置区に比べ,全ての振動区で透明帯付着精子数が有意に減少した.多精子受精率は低振動区及び中振動区で静置区に比べて有意な改善がみられた.一方,高振動区では受精率が有意に低下した.また,低振動区と中振動区では卵割率及び卵割卵あたりの胚盤胞形成率が有意に改善した.以上の結果より,媒精時に与える適度な振動は,多精子受精を抑制し,ブタ体外受精胚の生産効率を改善することが示された.