The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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ポスター発表

[P-29-48_57] Poster session

Fri. Mar 29, 2019 9:00 AM - 3:30 PM ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-55] 焙焼牛肉内の全香気物質を対象とした分析法の開発

小林 正人, 佐々木 整輝, 内山 京子 (家畜改良事業団)

【経過と目的】我々はこれまで,1㎏の牛肉試料を用いた焙焼牛肉の香気物質を検討し,45種類の主要な香気物質を同定した.今回は,少量の試料を用いた香気物質分析法を開発し,併せて調理の現場など実験室外で採材した試料を分析できる方法を組み立てた.
【材料と方法】焙焼した黒毛和種牛肉5gをエタノールで抽出し,次いでメタノールで抽出して合わせ,抽出液に4倍量の塩酸酸性5%食塩水を混和した後1/10量のジクロロメタンで2回抽出し,窒素気流下40℃でジクロロメタンを留去して少量のヘプタンに転溶した.ヘプタン液を固相カラム(NH2及びSI)に通液し,ヘキサンで洗浄した後ジクロロメタン・メタノール(95:5)で溶出し,NH2はさらに2%酢酸/エーテルで溶出し,GC/MSで分析した.実験室外で採材する場合は,焙焼した牛肉5gをエタノール8mlの入った褐色ビンに入れ,冷凍保存し,加温後に分析を行った.
【結果】主要な香気物質の回収率は34.9%~53.7%であり,同時再現性は変動係数で5.2%~18.6%の範囲であった.冷凍保存した試料は,加温して脂質を融解させた後ホモジナイズすることで分析可能であった.その結果,焙焼牛肉5gを用いた溶媒抽出法による牛肉香気物質の測定が可能となった.