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[V29-13] マウス-ニワトリキメラ胚作出の試み
【目的】再生医療技術が急速に発展している現在,臓器不足が課題である.この問題を解決するため,哺乳類胚にヒト多能性幹細胞を注入し,動物体内でヒトの臓器を作出する研究が進んでいる.一方,鳥類は体外で胚発生が進行するため,哺乳類-鳥類間の異種キメラはトリ胚を土台とした体外での哺乳類臓器作出システムとして注目されている.そこで本研究は,マウスES細胞をニワトリ胚に移植し,マウス-ニワトリキメラ胚を作出することを目的とした.【材料と方法】ドナー細胞にGFP発現マウスES細胞を,レシピエント胚に白色レグホンの卵を用いた.キメラ胚は,ニワトリ胚盤葉明域中央部の胚盤下腔にマウスES細胞を顕微注入することで作出した.その後,21日間孵卵し,キメラ胚の発生率・孵化率を調べた.孵卵1週間以上生存した個体から脳,心臓,角膜を採取し,ゲノムDNAをPCR解析することで,マウスES細胞のニワトリ胚への寄与を判定した.【結果と考察】202個のキメラ胚を作出し,61.4%が孵卵2.5日まで発生し,2.47%が孵化した.また,16個のキメラ胚をPCR解析した結果,8個でマウスES細胞由来のバンドが検出された.以上の結果から,マウス‐ニワトリキメラ作出の可能性が示された.