[VI-29-01_03] 遺伝・育種（VI-午前）

[VI29-02] 北海道のホルスタイン集団における生存能力と乳量、繁殖性あるいは体型との遺伝的関連

^○Abe Hayato¹, Hagiya Koichi², Yamaguchi Satoshi¹, Nakagawa Satoshi¹, Gotoh Yusaku³, Baba Toshimi³, Kawakami Junpei³, Kawahara Takayoshi³ (1.HMRT, 2.OUAV, 3.HCAJ)

【目的】北海道の牛群検定記録と体型記録を使用し，生存能力(CL:Cow Livability)を含む長命性と初産305日乳量(MILK)，初回授精日数(DFS)あるいは体型形質との遺伝的関連を調査した．【方法】データは1985年4月から2014年12月までに初産分娩した雌牛の記録である．長命性は次の3形質であり，各々初産乳期終了時の状態を0(死亡)または1(生存)とし，これを線形記録として扱った:①除籍理由が死亡または起立不能で除籍された場合を0とした(CL);②反対に死亡または起立不能以外の理由で除籍された場合を0とした(XCL);③除籍理由に関係なく除籍された場合に0とした(STAY)．長命性と，MILK，DFSまたは体型形質の2形質アニマルモデルにより，遺伝的パラメータを推定した．【結果】長命性の遺伝率は0.01から0.02の範囲であった．長命性とDFSとの間には-0.45から-0.57の範囲で有意(1%水準)な負の遺伝相関が推定された．また，①鋭角性，坐骨幅と長命性との間，②MILK，体の深さ，後乳房の幅と，CLまたはSTAYとの間，③高さ，後乳房の高さ，乳房の懸垂，後乳頭の配置とCLとの間に有意な負の遺伝相関が存在した．また，前乳房の付着，乳房の深さとSTAYまたはXCLとの間で，有意な正の遺伝相関が推定された．