日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[VI-29-10_12] 遺伝・育種(VI-午前)

2019年3月29日(金) 10:30 〜 11:00 第VI会場 (8号館8402講義室)

座長:阿部 隼人(北酪検)

10:40 〜 10:50

[VI29-11] 国産家畜の育種価評価のためのデータ前処理プログラムライブラリの開発

三宅 武 (京大院農)

【目的】ゲノム情報に基づく家畜の育種価評価がわが国で広く注目されており,国内の多くの組織で家畜の血統・形質・ゲノム情報に関する大規模なデータ収集が開始されている.これらの畜産系ITデータは一般的な表計算ソフト等を利用して管理が行われているが,データの多様化・大規模化に伴い,それらをもとに分析用データファイル群を作成することが従来以上に困難な業務となっている.このたび,それらの業務を支援するプログラムライブラリの開発を行ったので報告する.【方法】半角文字だけを処理すればよい欧米ではIT文字処理が容易であり,文字処理が学術的課題とされることは少なかった.一方,わが国では全角半角文字が混在使用される事情がありIT文字処理のハードルは欧米より極めて高い.わが国畜産現場で多く見られるそれらの事項を整理し,それぞれの処理に有用なプログラム部品を開発し,再利用性を高めた上でライブラリとしてまとめた.開発には64bit日本語Fortran90(日本NAG)を用いた.【結果】日本語に特徴的な文字処理の例として,全角半角文字混在データ列を正しく読み込む部品,全角半角文字変換部品,大規模文字配列ソートサーチ,などがあげられる.それらの処理を簡便に実装できるライブラリが開発されたことで,畜産現場で必要とされるデータ前処理プログラムの作成が従来以上に高速化,効率化されるものと期待される.