日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[VI-29-25_27] 遺伝・育種(VI-午後)

2019年3月29日(金) 14:40 〜 15:10 第VI会場 (8号館8402講義室)

座長:大澤 剛史(家畜改良セ)

14:50 〜 15:00

[VI29-26] 乳牛における乾乳期間の短縮が乳生産効率に与える影響のシミュレーション

山崎 武志1, 武田 尚人2, 萩谷 功一3, 山口 諭4, 田鎖 直澄1 (1.農研機構北農研, 2.農研機構畜産部門, 3.帯畜大, 4.北酪検)

【目的】搾乳牛における乾乳期間の短縮は,生産期間を延ばす一方で,次産次の乳量を減少させる効果がある.生涯の乳生産効率にとって最適な乾乳期間を検討するため,様々な分娩間隔,乳量および泌乳持続性において乾乳期間が異なる場合の乳生産量をシミュレーションした.【材料・方法】2005年~2014年に分娩した初産次~3産次の牛群検定記録より,305日乳量育種価が中および高水準で泌乳持続性育種価が低,中,高水準の泌乳曲線を作成した.各泌乳曲線において,分娩間隔が365日,395日,425日および455日を仮定し,初産次および2産次以降の乾乳期間が30日,40日,50日,60日における4産次乳期終了時の平均日乳量(総乳量/日齢)を比較した.平均日乳量の算出には,泌乳末期における胎児の影響,各産次における平均生存率,乾乳期間の短い場合の次産次乳量低下を考慮した.【結果】2産次以降の乾乳期間が60日のとき,平均日乳量が最大となる初産次の乾乳期間は40日であり,泌乳持続性が高水準において最も顕著であった.初産次の乾乳期間が40日のとき,平均日乳量が最大となる2産次以降の乾乳期間は,泌乳持続性が低水準において50~60日,高水準において40日であった.これらより,泌乳持続性が高水準における乾乳期間の短縮は乳生産効率を高めることが示唆された.