[VI-29-32_34] 遺伝・育種（VI-午後）

[VI29-33] ホルスタイン種における2種類のシングルステップ法によるゲノミック評価値の比較

^○Osawa Takefumi¹, Saburi Junichi¹, Oka Taro² (1.National Livestock Breeding Center, 2.Holstein Cattle Association of Japan)

【目的】乳用牛のゲノミック評価は，マルチステップ法が主流であるが，シングルステップ法によるゲノミック評価が世界的に検討されている．本分析は，シングルステップ法によるGBLUPモデルとSNP-BLUPモデルによるゲノミック評価値の比較を行った．【方法】日本ホルスタイン登録協会で集積された体型審査記録（初産：約117万件，2産：約40万件および3産：約21万件）から遺伝率の異なる3つの形質（高さ：0.51，乳房の懸垂：0.20および蹄の角度：0.06）を分析に用いた．血縁記録数は約264万頭であり，SNP情報を持つ個体数は約7.5万頭あり，そのうち10牛群15頭以上の娘牛記録を持つ雄牛は約4.7千頭，娘牛記録を持たない雄牛は約9.5千頭，記録を持つ雌牛は約2.3万頭，記録を持たない雌牛は3.8万頭であった．【結果】GBLUPとSNP-BLUP間のゲノミック評価値の相関は，10牛群15頭以上の娘牛記録を持つ雄牛で0.998～1.000，娘牛記録を持たない雄牛で0.987～0.996，記録を持つ雌牛で0.997～0.999および記録を持たない雌牛で0.993～0.997と非常に高かった．一方，SNP-BLUPのGBLUPに関する回帰直線の傾きの平均は，高さで0.981，乳房の懸垂で1.001および蹄の角度で0.984であり，形質によって両モデル間の評価値のスケールに若干の差があった．