The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[VIII-29-08_09] 形態・生理(VIII-午前)

Fri. Mar 29, 2019 10:10 AM - 10:30 AM 第VIII会場 (8号館8501講義室)

Chairman:Koichi Ojima(Institute of Livestock and Grassland Science, NARO)

10:20 AM - 10:30 AM

[VIII29-09] Pax7が脂肪前駆細胞分化の運命決定に与える影響

Izumi Wakana, Mizunoya Wataru, Tatsumi Ryuichi, Nakamura Mako (Graduate School of Bioresource and Bioenvironmental Sciences, Kyushu Univ.)

【背景と目的】骨格筋の形成は,組織特異的遺伝子により制御されていることが知られている.Pax7 (paired box 7) は筋調節因子の一つであり,筋細胞において筋分化誘導因子の発現を調節することが知られている.しかし,筋周辺の組織や非筋細胞における Pax7 の働き,特に細胞分化における運命転換能力については不明であった.当研究では,Pax7 が安定的に発現する 3T3-L1 脂肪前駆細胞を用いて実験を行い,Pax7 が筋形成を誘導し脂肪細胞の形成を抑制する可能性を明らかにすることを目的とした.
【方法】Pax7を安定的に発現させた 3T3-L1 細胞(Pax7安定発現株)と,空ベクターを導入した 3T3-L1 細胞(コントロール株)に対し筋分化誘導及び脂肪細胞分化誘導を試みた.それぞれ RNA を回収し,リアルタイムRT-qPCRにより各種遺伝子の発現変化を解析した.また,脂肪細胞分化誘導12日目においては脂肪滴染色を行った.
【結果】Pax7安定発現株に筋分化を誘導しても,筋分化誘導因子の発現上昇は認められなかった.しかし,脂肪細胞分化誘導を行ったPax7安定発現株において,脂肪細胞分化マーカー発現と脂肪滴形成が共に抑制された.本結果より脂肪前駆細胞において Pax7 は,脂肪細胞への分化を抑制する働きを持つことが明らかになった.