The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[VIII-29-21_22] 形態・生理(VIII-午後)

Fri. Mar 29, 2019 1:50 PM - 2:10 PM 第VIII会場 (8号館8501講義室)

Chairman:Atsushi Tajima(Faculty of Life and Environmental Sciences, Univ. Tsukuba.)

2:00 PM - 2:10 PM

[VIII29-22] 急性暑熱感作時における肉用鶏の小胞体ストレス応答の解析

Takanashi Ryo1, Tokutake Yukako1,2, Furukawa Kyohei2, Tanitaka Yuta2, Kikusato Motoi1,2, Toyomizu Masaaki1,2 (1.Faculty of Agriculture, Tohoku Univ., 2.Graduate School of Agicultural Science, Tohoku Univ.)

【目的】小胞体ストレス応答(UPR: Unfolded Protein Response)は細胞内ストレスに対する分子機構であり,アポトーシスシグナルの活性化や細胞機能障害を引き起こす.現在までにin vitro条件下での高温ストレスへの曝露が,細胞にUPR活性を引き起こすことは広く知られているが,暑熱環境下のニワトリにおける各組織のUPRについては不明である.そこで本研究では肉用鶏の急性暑熱感作時におけるUPRの活性を遺伝子発現レベルで調べた.【方法】3週齢雄肉用鶏(ROSS系統)を供試し36℃,2時間暑熱感作した(対照 : 24℃).浅胸筋,腓腹筋,肝臓,甲状腺,膵臓,腹腔内脂肪を採取し,各組織におけるUPR関連遺伝子(Grp78Grp94Gadd153(CHOP),Xbp1s)の発現量をqPCR法で調べた.【結果】UPRにおける代表的な分子シャペロンであるGrp78は,膵臓以外の全ての組織で,対照区と比較して暑熱区で発現が増加した.また,UPRの中のアポトーシス促進因子であるCHOPは腓腹筋,脂肪で増加が認められた.Grp94Xbp1sも骨格筋と脂肪で増加していたが,膵臓ではむしろ減少しており,またこれら以外のUPR関連遺伝子発現の増加は認められなかった.以上の結果より,肉用鶏の各組織における急性暑熱環境によるUPRの発現パターンは一様ではなく,組織特異的であることが判明した.