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[VIII29-28] 母めん羊の周産期の給与タンパク質レベルが初乳中ホルモンおよび産子の増体・代謝特性に及ぼす影響
【目的】母めん羊の周産期の栄養と産子の増体,インスリン感受性および耐糖能との関係を明らかにする.【方法】同一の種雄畜との自然交配により妊娠した母めん羊に対して,妊娠末期と哺育中に給与する配合飼料のCP含量を2水準(22%ないし11%)設けて,胎子期および哺育期のタンパク栄養レベルの異なる2×2の4群の子めん羊群を作成した.20週齢時にインスリンとグルコースの静注負荷試験を実施して,血中グルコース反応量と出生後の増体との関係を解析した.また,初乳中のインスリンおよびIGF-1濃度と産子の増体との関係も調べた.【結果】7腹から双子2組,単子5頭あわせて9頭の産子が得られたが,産子および母畜各1頭が斃死したため,試験処理の検討が可能な個体数は7頭にとどまった.母畜の妊娠末期や哺育中のCP給与レベルの違いと,産子の体重あるいは日増体量の推移との関係は明らかでなかった.初乳中のIGF-1レベルは妊娠末期高CP群でやや高い値を示し,産子の日増体量とは負の関係がみられた.哺育中ならびに全試験期間を通じての日増体量は生時体重と有意な正の相関がみられ,また離乳までの増体が優れる個体がその後の増体も優れていた.インスリン負荷後のグルコースのAUCは体重や日増体量と負の関係を示し,生後4週齢時までの日増体量と有意な負の相関がみられたが,母畜の周産期のCP給与レベルとの関係はみられなかった.