The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[V-YS-05_06] 優秀発表賞演題(第Ⅴ会場)

Thu. Mar 28, 2019 10:00 AM - 10:30 AM 第V会場 (8号館8401講義室)

Chairman:Etsuko Kasha

10:00 AM - 10:15 AM

[VYS-05] 乾乳後期のエネルギー水準が新生子牛のグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)を介したグルコース代謝に及ぼす影響

Inabu Yudai1, Haisan Jennifer2, Oba Masahito2, Sugino Toshihisa1 (1.Graduate School of Biosphere Science, Hiroshima Univ., 2.Department of Agricultural, Food and Nutritional Science, Univ. of Alberta)

【目的】乾乳後期のエネルギー水準が①新生子牛の代用乳(MR)摂取後のGLP-1分泌に及ぼす影響と②GLP-1の作用に及ぼす影響を検討した.【方法】乾乳後期牛40頭に低エネルギー飼料(L区)または高エネルギー飼料(H区)を給飼し,得られた雌子牛37頭を供試した.2日齢からMRを1日10L給与し,2,10および20日齢のMR給与直後に頸静脈カテーテルから生理食塩水を注入するC区(L-C区およびH-C区)とGLP-1を注入するG区(L-G区およびH-G区)の計4区を設けた.血液はMR給与時を0分とし経時的に採取し,血漿グルコース,インスリンおよびGLP-1濃度を測定した.【結果】MR給与後のグルコースおよびインスリン濃度は10日齢において,H-C区でL-C区と比較し低値で推移し,GLP-1濃度も同様であった.GLP-1注入後のGLP-1濃度はC区と比較し高値であった.インスリン濃度は給与後60分まではGLP-1の影響を受けなかった.一方,グルコース濃度の増加は,処理区に関わらずGLP-1により給与後30分までC区と比較して抑制され,20日齢のH-G区では給与後40分まで抑制された.以上のことから,乾乳後期牛の高エネルギー水準は子牛のMR給与後のグルコース吸収とそれに伴うGLP-1およびインスリン分泌を抑制し,一方でGLP-1の血糖降下作用を増強させる可能性が考えられた.