The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[XIII-29-03_05] 管理・環境(XIII-午前)

Fri. Mar 29, 2019 9:20 AM - 9:50 AM 第XIII会場 (8号館8601講義室)

Chairman:Tomohito Hayashi(National Institute of Animal Health, National Agriculture and Food Research Organization)

9:40 AM - 9:50 AM

[XIII29-05E] 宮城県酪農現場の乳房炎罹患牛由来黄色ブドウ球菌の分子疫学調査

miyazawa ryota1, nasuno syun1, matsuda keiichi2, andou tasuke1, yoneyama hiroshi1 (1.Tohoku Univ., 2.NOSAI Miyagi)

【目的】ウシ乳房炎によって引き起こされる経済的被害は極めて大きく,その治療法・予防法の確立は喫緊の課題である.ウシ乳房炎の主要起因菌の一つである黄色ブドウ球菌の病原因子については未解明な部分も多い.そこで本研究では黄色ブドウ球菌の遺伝学的背景とウシ乳房炎の発症・重症化との関連性について調べるために,宮城県内酪農現場の罹患牛由来黄色ブドウ球菌54株の分子疫学調査を行った.
【方法】MLST (Multilocus Sequence Typing)解析を行い,ST (sequence type)を決定した.毒素遺伝子22種を対象にMultiplex-PCR法を行い,各毒素遺伝子保有の有無を判別した.
【結果】罹患牛由来株をMLST解析した結果,反芻動物由来株に特徴的な型であるST705,ST352が大半を占めた.また人獣共通で感染することが知られているST398も見いだされた.再罹患した同一個体から採取した個々の株のSTと毒素遺伝子22種の保有パターンは同一であったことから同じ株による再発と考えられた.乳房炎発症の要因となっている可能性が高いとされている毒素遺伝子であるlukD, lukMがST705,ST352の株全てにおいて確認された.一方で同一STの菌株間によっても保有の有無が分かれる毒素遺伝子も複数確認された.今後ST,毒素遺伝子の保有パターンと重症度との関連性の有無を調べていきたい.