The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[XIII-29-25_26] 管理・環境,畜産経営,動物介在(XIII-午後)

Fri. Mar 29, 2019 2:50 PM - 3:10 PM 第XIII会場 (8号館8601講義室)

Chairman:Seiichi Koizumi(Dept. of Animal Science & Resources, Nihon University)

3:00 PM - 3:10 PM

[XIII29-26] ニュージーランド精液を利用する酪農家の特質

Ikeda Sahomi, Osada Masahiro, Ozawa Takeyuki (Nippon Veterinary and Life Science Univ.)

【目的】ニュージーランド(以下NZ)精液は放牧酪農による生乳生産に適した牛群構成を志向する酪農家に利用されているとの報告がある.しかし同精液の利用が経営にどのように反映されているのかは明らかになっていない.そこで本研究はNZ精液利用農家の経営的特徴と,同精液の利用が産乳性および繁殖性に及ぼす影響について明らかにする.【方法】NZ精液を販売する法人顧客のうち,同精液を利用したことがあると回答した28戸を対象に各種分析を行うとともに,ヒアリングを実施した.さらに利用者の牛群検定成績書を援用して取りまとめを行なった.【結果】NZ精液の利用により①乳量が減少するデメリットがあること,一方,②乳牛の小型化が可能になり高いBCSを維持できること,③肋の開張がよく牧草の摂取量の向上が期待されること,④繁殖に要する経費節減効果が期待できることが示唆された.さらに繁殖性を重視する農家では,初回授精時の受胎率の向上を評価していた.牛群検定成績書による比較では,①NZ牛群は国産牛群と比べて乳脂率が高いこと,②NZ牛群の空胎日数が短縮化する傾向があった.以上のことから,NZ精液の利用は放牧導入の酪農家において一定の成果をもたらすことが明らかになった.