The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[XIV-29-28_30] 畜産物利用(XIV-午後)

Fri. Mar 29, 2019 3:00 PM - 3:30 PM 第XIV会場 (8号館百周年記念ホール)

Chairman:Yasuhiro Funatsu(Department of Food Science and Human Wellness, Rakuno Gakuen University)

3:10 PM - 3:20 PM

[XIV29-29] 牛肉の風味に影響を与える脂肪以外の因子の解明—筋線維タイプに着目した解析—

Mashima Daisuke1, Iwai Yoshio2, Gotoh Takafumi3, Sawano Shoko1, Tatsumi Ryuichi1, Nakamura Mako1, Mizunoya Wataru1 (1.Faculty of Agriculture, Kyushu Unversity, 2.Faculty of Engineering, Kyushu Univ., 3.Faculty of Agriculture, Kogoshima Unversity)

【目的】我々は牛肉において,筋線維タイプマーカーのミオシン重鎖(MyHC)の内,遅筋タイプMyHC1組成比と呈味性化合物の総遊離アミノ酸量が正の相関を示すことを見出したことから,筋線維タイプ組成が食肉の風味に影響を与える因子であると推測した.しかし脂肪含量もMyHC1組成比と正の相関を示すことから,筋線維タイプと食肉の風味の関係を明らかにするには,脂肪を除いた評価が必要である.そこで本研究では,筋線維タイプ組成が,牛肉の風味に影響する因子であるか調べることを目的として,脱脂肉を作成し,検討を行った.
【方法】A4等級の黒毛和種のヒレとリブロースを精肉店より購入し試料とした.試料を挽き肉にした後,超臨界二酸化炭素抽出法で脱脂処理を行った.MyHC組成をSDS-PAGEで解析した.脱脂処理後,加熱調理した試料を消費者型官能試験で評価した.また試料中の遊離アミノ酸量をHPLCで解析した.
【結果】MyHC1組成比は,ヒレがリブロースより高い値を示した.脱脂処理によりヒレとロース共に,脂肪含量を10%以下まで減少すできた.脱脂試料の官能試験の結果,ヒレはリブロースより「肉の味の強さ」のスコアが高かった.また,遊離アミノ酸量の解析の結果,タウリン含量がヒレで高いことが分かった.以上より,脱脂した牛肉でも,筋線維タイプと肉の味の強さとの相関が示唆され,その違いにタウリンの関与が考えられた.